お金の教養

民間保険に入る前に必ず知っておくべき「保険の裏側」と公的保障制度

うしくん
うしくん
保険に入ろうと思うけど何かおすすめある?
てらこー
てらこー
必ずしも入らなくていいと思うよ
うしくん
うしくん
え?そんなばかな。大人になったら保険に入るのが常識でしょ?
うしくん
うしくん
それに万が一があったら困るし……
てらこー
てらこー
それなら大丈夫!気づいてないかもしれないけどすでに結構な保険に加入してるんだよ!
うしくん
うしくん
そ、そうなの?
てらこー
てらこー
うん!だから保険に入るときはしぶしぶ入るくらいがちょうどいいよ。
てらこー
てらこー
それでもやっぱり不安ならもちろんどういう保険がおすすめかも紹介するね!

 

保険ってそもそも何のためにあるのか

保険は何のためにあるのか。

「それはもちろん万が一のことが起こった時にその人やその家族を守るため!」

だと思っているなら大間違いです。

完全に保険会社に騙されています。

一番は保険会社が儲けるためです。

たまたま保険に入っていたおかげで救われた人がいただけであり、言ってしまえば偶然の産物的なものでしかありません。

たくさんの人が加入していれば中には救われる人もいるでしょうが、保険会社が儲けるためという前提は変わることはありません。

そんな血も涙もない。と思われてもいいです。

 

当たり前ですが保険会社は慈善事業ではありません。保険会社はちゃんと儲かるからこそ事業を続けられるわけです。

よくわからないまま、保険会社の営業の言うままに保険に入り生活が苦しくなっている方を何人も知っています。

あくまでも搾取されるのはこの仕組みをよくわかっていない私たち凡人であり、皆さんにはちゃんと事実を知ったうえで保険に入るかどうか決めてほしいと思っています。

 

 

保険はギャンブル?仕組みを分析

競馬や宝くじは当たれば大金が手に入りますが、保険は不幸が起こったときに大金が手に入るため負のギャンブルなんて言い方をしている人もいます。

これは的確な表現であり、基本的に保険の仕組みはギャンブルと同じようなものだと思ってもらえればイメージはしやすいと思います。

つまり皆さんから保険料として掛け金を集め(①)、そこから手数料(社員のお給料など)を引いた(②)準備金の中から万が一の際に保険金が支払われる(③)という仕組みになっています。

当たり前ですがほとんどの人の身には万が一の事態は起こらず、ごく少数の人だけが不幸により保険金を受け取ることになります。

つまり大勢の人が損することでごく一部の人が得をする仕組みが保険です。

ここで抑えておいていただきたいのが保険会社が一部手数料を引いていることです。

そしてこの手数料が一体いくらなのかというのはあまり大っぴらにされません。

私のとある外資系保険会社の知人は月収ウン百万とのことですがこれももちろん皆さんの保険料から手数料として引かれているわけです。(もちろんこの方の頑張りのたまものでもあるわけですが)

保険に入る前にこの仕組みはきちんと理解しておいてください。

 

健康保険制度のすごさ

そして保険に入る前に知っておくべきなのが私たちがすでに義務として入っている保険です。

まずは健康保険です。

健康保険加入はなぜ義務なのか

当たり前すぎて保険に入っていることも忘れてしまうくらいですが実は超優秀な保険制度であり、海外の人がわざわざ日本の健康保険制度に加入しようと考えるくらいです。

ではそもそもなぜ日本で健康保険は義務になっているのでしょうか。

それは簡単に言ってしまえば

富の再分配を行い全国民がもしもの時に医療を受けられるようにするためです。

海外では病気になってもお金がなく治療を受けられない人が当然のようにいます。

そのような状況を防ぐため、所得がある人からは高い保険料を取り、所得が少ない人の保険料を低く抑えることで、誰もが安心して治療を受けられるようにしているわけです。

 

健康保険はどういう保険なのか

①保険適用の治療は3割負担

皆さん当たり前だと思っているかもしれませんが、実は自己負担3割で治療が受けられるというのはとてもすごいことです。

保険適用の治療でなければもちろん3割負担にはなりませんが、ありがたいことに一般的なものはだいたい保険適用の治療です。

1万円の治療費だとしても3千円で済みます。

 

②自己負担限度額

いくら3割負担とはいえ100万円くらいの治療費だと30万円も払わないといけないじゃないかと思った方もいるかもしれません。ご安心ください。

所得や月収に応じて自己負担の限度額というものがあります。

先ほどの例でいきますと自己負担限度額は9万円程度で済みますので、91万円ほど保険からまかなわれることになります。思っている以上に私たちは健康保険に守られているのです。

この制度を知らず民間の保険に入らなきゃと考えている人は多いように感じます。

 

③傷病手当金

もし大怪我をしたり精神を病んだりして働けなくなったら収入が……と不安に思っている方もいらっしゃるかもしれません。

そういった場合も健康保険は守ってくれます。

給料の3分の2程度の金額が最大1年半受け取れるので急に収入が途切れてしまうという心配はありません。

 

④出産手当金・出産育児一時金

出産前と出産後の働けない時期も3分の2程度の金額を受け取れる出産手当金、出産時には一児につき42万円受け取ることができる出産育児一時金という制度もあります。(※ちなみに普通分娩は病気ではないので保険適用外で、3割負担ではありません。)

子育てはお金がかかるものと思っている方も実はこういった制度があることを是非知っていただければと思います。

 

公的年金のすごさ

続いては年金です。少なくとも日本国内に住む20歳から60歳は加入義務となっています。

年金2000万円問題がメディアで取り上げられ、年金なんて信じられないという方も多いかもしれませんが、そもそも年金がどういう制度なのかちゃんと理解していますか?

本当に悪い制度なら義務にはなっていないはずです。皆さんが思っているほど悪い制度ではないんですよ。

知っていて非難する分には問題ありませんが、知らずに損する人はこのブログで一人でも減らしたいと思います。

 

年金保険はなぜ加入義務なのか

そもそも年金は保険だということを知っている人は少ないのではないでしょうか。

実は年金保険も健康保険と同じような役割を持っており、なぜ義務なのかというと

富の再分配を行い全国民がもしもの時に最低限の生活を支えるためです。

つまり、低所得の方こそメリットが大きい仕組みになっているわけです。

うしくん
うしくん
でも年金って高齢者が受け取るものでしょ?
うしくん
うしくん
将来もらえるかわからないのに保険料払いたくないなぁ

そんなあなたこそ大損する前にちゃんと知っておいてほしい。

年金は3つのもしもに備える保険
年金は破綻しないように調整が行われている

 

年金保険はどういう保険なのか

①老齢年金

高齢になり、働けなくなったときに年金を受け取ることができます。皆さんが年金と聞いて真っ先にイメージするのは高齢者が受け取る老齢年金だと思います。

実はいつまで生きるかわからないというのはとてつもないリスクです。

いつまで生きるかわかっているならば必要な貯金額を計算できますが、それは現実的ではありません。ということは当たり前ですが長生きすればするだけお金が必要になります。

そんなときも定期的に年金が受け取れるというのは大きな支えになるのではないでしょうか。

 

②障害年金

あまり知られていない年金制度として障害年金があります。

万が一障害を負ってしまって働けなくなった際に年金を受け取ることができます。これは皆さんがイメージする民間の保険に近いのではないでしょうか。

ただし民間ではあまり保証してもらえないような精神的な症状でも障害年金であれば受け取ることができます。

また、20歳前など年金に加入する前に障害を負ってしまった場合も20歳から障害年金を受け取ることができます。

これは保険料を全く払うことなく年金を受け取ることができることを意味しており、年金保険という名称が正しくはないのではないかと言われている所以でもあります。

障害年金について知らなかったために過剰に民間の保険に加入してしまっていたという例は少なくありません。

 

③遺族年金

一家の大黒柱が亡くなった際に残された家族が受け取れる年金として遺族年金があります。これは祖父母のどちらかが先立ち、受け取っているということで知っている方もいらっしゃるかもしれません。

もちろん高齢の方だけではなく、若い家族でも突然何が起こるかはわかりません。そんな時も遺族年金は支給され、そのおかげで救われている家庭もあります。

民間の保険で言えば「収入保障保険」に近いかもしれません。

年金はこのように3つのもしもに備える保険であり、あくまでも裕福な生活を送るためのものではなく、最低限の生活を支えるためのものだと覚えておこう!

 

年金制度の仕組み

年金というのは現役世代が支払った保険料だけでなく一部税金でもまかなわれており、それが現在年金を受け取っている方に支払われているわけです。

そこで気になるのはもちろん少子化の影響ですよね。

確かに少子化により現役世代が少なくなることで年金制度の状況が厳しくなるのは間違いありません。

しかし、その状況を黙って見ているわけでももちろんありません。

年金の受け取れる額を少しずつ減らしたり、税金を増やしたりしながらこの部分は調整されていくことになります。

うしくん
うしくん
もらえる年金が減るんじゃ結局払い損じゃないの

と思ったそこのあなた。

その考え方は鋭いです。たしかに3つのもしもに備えているとはいえ、結局老齢年金があまりもらえないのに高い保険料は払いたくないと思うのも当然です。

もらえる年金が少ないというのはよく取り上げられますが、実際払ってる保険料はどれくらいなのか考えてみたことはありますか?

国民年金は16410円/月(令和元年度)です。これをもし20歳から60歳の40年間払い続けたとすると総額7,876,800円にもなります。

「そんなに払うくらいなら貯金するわ!」って方もちょっと待ってください。

じゃあ実際受け取るときはどれくらいもらえるのかと言いますと78,100円/年(令和元年度)です。これを10年と2か月受け取ると総額は7,931,016円にもなります。

現在年金は65歳から受け取れるので75歳2か月で元が取れる計算になります。

日本の平均寿命は平成30年の厚労省の発表では男性:81.25歳、女性:87.32歳ですので高確率で元が取れてしまう計算です。

え?なんでこんなことができるの?と思う方もいらっしゃるかもしれません。その理由としては以下の二点が挙げられるでしょう。

①年金は民間の保険のように職員の給料などを手数料として引かないから。

②保険料だけでなく税金も財源に加えられてるから。

つまり払った金額以上に受け取ることができても何の問題もないわけです。

国民の最低限の生活を支えるためにある制度なので当然と言えば当然の結果ですよね。

 

しかしこれはあくまで現在の水準のままで今後もいくのであれば!という概算でしかありません。少子化の影響などでもう少し厳しいものになっていくことは間違いありません。

それでもちゃんとここまでの内容を読んでいただければ必ず払い損になるわけではないことは理解していただけるのではないでしょうか。

そして、将来的にはまた子供が増える可能性も絶対無いとは言い切れませんよね。将来が予測できないからこそ、保険としてきちんと年金制度に加入しておくことが重要なのではないでしょうか。

 

保険を論理的に考えると入らなくてもいい

ここまで読んでいただければ私たちが義務として加入している保険のすごさがわかったのではないでしょうか。

そしてここまで来たら私の言わんとしていることがわかりますよね?

そうです!民間の保険は必ずしも加入しなくてもいい!ということです。

再度簡単にまとめさせていただきます。

①民間の保険は大抵の人が負け、一部の人が勝つ負のギャンブル。

②健康保険に加入していれば万が一の時も思っていたよりお金がかからない。

③年金は3つのもしも(老齢・障害・遺族)に備える保険。

 

それでも保険に入るのであれば

ただしこれらの説明を理解はしていてもやっぱり不安に思う方もいらっしゃるでしょう。

私自身もそういうタイプです。

わかってはいても自分には不幸が起こるかもしれない。それなら保険に入っちゃった方が安心。保険料は高くても安心料だと思えば安いもの。って自分を納得させようとします。

そんな方には手ごろな保険料で備えることができる「収入保障保険」、もしくは「定期掛け捨ての生命保険」がおすすめです。

そして、自分に不幸が起こった時に大きくプラスになるほど入る必要はないでしょう。

 

ただしあくまでも私が勧めたからという理由だけで加入しないようにしてくださいね。私は知っている情報は全て提供しますので、皆さんはその情報をもとに自身で考えて最善だと思う選択をしてください。

 

こんなに保険に入らなくてもいいって言ってはいても、もし明日死ねば全額生命保険に突っ込んでおけばよかったなーって私も後悔するはずです。

しかし何より保険料の支払いで家計が圧迫され保険貧乏になってしまうこと。今を楽しめないことが私は何よりもったいないと思うのでこのようなテーマで書かせていただきました。

 

万が一の際に必要な金額を考え、貯金だけでは足りなければ仕方なく保険に入る。くらいのスタンスが正しい保険との向き合い方ではないでしょうか。

この記事が皆さんの保険について考えるきっかけになれば幸いです。