この記事はこんな方におすすめ
- 銀行に預けておけば安心だと思っている方
- インフレについてよくわからない方
銀行に預けておけば安心?

預金も投資の一種
実は銀行にお金を預けることも投資の一種だって知ってましたか?
銀行に預けているとたまに利息がつきますが、あれが投資による利益です。
ではそもそも銀行の仕組みはどうなっているのでしょうか?

お金を預けてくれている個人への利息と、会社や個人に融資することで受け取れる利息の差が儲けになるわけですね。つまり低い金利で資金を調達し、高い金利で貸し出すというのが銀行のビジネスモデルです。
私たち個人の目線から考えれば銀行にお金を託して投資をしてもらい、利益の一部を受け取っていることになるわけですからこれは立派な投資です。
しかし親や周りの人がそうしているからというだけで何も考えずに皆さんも銀行にお金を預けているのではないでしょうか。
預金金利を知っていますか?
上記の説明を踏まえた上で銀行にお金を預けたときの金利(預金金利)を皆さん把握していますか?
ほとんどの方がわかっていないのが現状です。
2020年3月現在、一般的に銀行の預金金利は0.001%となっています。
これは100万円を1年預けると利息として10円もらえる計算です。正直ほとんど無いに等しいです。
これを知ってもなお銀行に預けることを選択しますか?
こういう考え方ももちろんあるでしょう。
銀行に預けるメリットとしては「預けている金額より減ることがないこと」と「万が一何かあっても一行につき1,000万円までは保証してくれること」といった点があります。これは確かに安全だと言えるかもしれません。
ほとんど増えないとしても損もしないから銀行に預けておけば安心って思っている方がほとんどではないでしょうか。
しかしそれは必ずしも正しいとは限りません。それにはインフレが関係しています。
インフレーション(インフレ)って何?

インフレ、デフレとは?
インフレーション(インフレ)とは
インフレーション(英語: inflation)とは、経済学においてモノやサービスの全体の価格レベル、すなわち物価が、ある期間において持続的に上昇する経済現象である。日本語の略称はインフレ。日本語では「通貨膨張」とも訳す。主にマクロ経済学で研究される現象。
引用:Wikipedia
デフレーション(デフレ)とは
デフレーション(英: Deflation)とは、物価が持続的に下落していく経済現象を指す。略してデフレと呼ぶ(日本語では物価収縮とも)。対義語には物価が持続的に上昇していく現象を指すインフレーション(英: Inflation)がある。
引用:Wikipedia
要は物価が上昇していくのがインフレで、下落していくのがデフレです。
例えば、過去の日本のラーメンの値段を調べてみますと1962年にはラーメン一杯の値段が48.5円だったそうです。(出典:総務省統計局ホームページhttps://www.stat.go.jp/data/kouri/doukou/3.html)
今ではどんなに安くても一杯500円は超えてきますので約60年で10倍以上の値上がりをしたことが分かります。
ただし勘違いしないでいただきたいのは「昔は安かったんだね。いいなー。」という話ではないということです。
今ではどんなに頑張っても50円でラーメンを作って利益を出すことはできませんよね。つまり物価が上がったことを示しているわけです。
この例はインフレとデフレのどちらか皆さんお分かりですね?
もちろんインフレです。

そしてこの例でも分かるようにインフレで物価が上昇するということは同時に貨幣価値が下がることにもなります。
1962年当時の50円と今の50円では全く価値が異なるということです。当時の50円の方が圧倒的に価値が高いです。
1962年に50円をタンスに入れておいて2020年の今使おうと思ったら昔はラーメンを食べられたのに、今ではうまい棒5本程度しか買えなくなっているわけですからね。
インフレで貨幣価値が下がってしまうなら貨幣価値が上がるデフレの方がいいのではないかと思う方もいらっしゃるかもしれません。
しかしながら実は日本は毎年2%のインフレを目指しています。
なぜインフレがいいのか
ではなぜわざわざインフレを目指すのでしょうか。
- 海外の国とインフレ率を合わせるため
- 経済成長を促すため
- 国の財政を健全化するため
海外の国とインフレ率を合わせるため
これはすでに海外の国々がインフレ率2%と設定しているというのが一つの理由だと言えるでしょう。
海外のインフレなんて知ったこっちゃないと思われるかもしれませんが実はそうはいきません。実は為替に影響を及ぼします。
例としてアメリカではインフレが進み、日本では全くインフレにならなかった場合を考えてみましょう。
アメリカでインフレが進んでいくと物価が上昇し、相対的に貨幣価値が下がります。一方日本では全くインフレにならなかったので貨幣価値はそのままです。
するとアメリカの貨幣価値が日本に比べて下がったことになります。つまり今までの為替が1ドル=100円だったのが、1ドル=80円のように円高の状態になってしまいます。
これはアメリカに限らずどの国の通貨に対しても円高が進行してしまいます。すると輸出産業が打撃を受け、日本経済が落ち込んでしまいます。
そこで他国に合わせたインフレ率を維持する必要が出てくるわけです。(海外旅行をする上では円高でもいいんですけどね。。笑)
経済成長を促すため
お金をそのまま持っているだけでは少しずつ貨幣の価値が下がっていくとしたらあなたはどうしますか?貯金より消費や投資にお金を使おうと思うのではないでしょうか。
そして皆が貯金ではなくお金を使うようになればもちろん経済成長につながっていきます。
それが意図的にインフレを目指す理由です。
物価が上がることで売り上げが増え、企業の業績が上がれば、給料も増えます。するとまた皆がお金を使い、売り上げが増え..というように適度なインフレは好循環を生み出すと考えられています。
もちろん企業側が給料をちゃんと増やすのかというところは永遠の課題ですが、政府も企業に賃上げを要請し続けています。また、人手不足の今日では今後賃上げできないような企業は淘汰されていくともいえるでしょう。
国の財政を健全化するため
日本は多額の借金を抱える国として知られています。皆さんも一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。
今やその借金はなんと1,000兆円を超えています。
もちろん借金がずっとあるのはいい状態とは言えませんので財政を健全化するためにインフレを目標としています。
インフレにより経済成長が進めば税収が増えることも期待されますからね。
しかしインフレの効果はそれだけではありません。
日本の借金のほとんどは国債が占めています。(国債というのは国が資金調達するために発行する債券です。)
もちろん国であっても借りたお金は満期が来れば利息付きで返さないといけないのは私たちとなんら変わりません。
ではインフレが進行するとどうなるでしょうか?
インフレは実質的な貨幣価値の低下につながることはもうご理解いただいてますよね。債券を発行しお金を借りた時より、返す時の方が貨幣の価値は下がっているわけです。
つまりインフレには借金を減らす効果があるわけです。

私たちとしては損した気分ですが国としてはこのような思惑もあるわけですね。
預金しているだけで損する可能性も

ここまでの説明を読んでいただいた方はもうおわかりかもしれませんが、銀行にお金を預けているだけではじわじわとお金の実質的な価値は低下していく可能性があります。
もちろんインフレが進行すると貨幣価値が下がるからです。
お金を預けておけば安心とは必ずしも言えないわけです。
日本としても毎年2%のインフレを目指している以上はデフレよりはインフレになる確率の方が高そうです。
インフレが進行するとしても毎年の変化としては微々たるものなのでほとんどの人がこの事実には気づかないでしょう。
知った上でも預金をし続けるか、それとも何か対策を取るかは皆さんの自由です。
まとめ
- 預金も投資の一種
- 預金の利息はほとんど無いに等しい
- インフレとは物価が上がり、貨幣価値が下がること
- 他国に合わせ、経済成長を促し、財政健全化を図るために毎年2%のインフレを目標としている
- 預金しているだけでは損している可能性がある
念のためお伝えしておきますと貯金をせず必ず消費や投資をしましょうと言っているわけではありません。
あくまで預金しているだけでは損する可能性もあるということを知った上でどのような行動をとるか皆さんに考えていただくきっかけができればと思いこの記事を書きました。
特に日本は銀行にお金を預けておくのが常識になっており、むしろその他のお金の管理方法を知っている人の方が少数です。あたりまえを疑ってみませんか?
もちろん将来を確実に予想することはできませんので、デフレが進行し、預金しておいた方がむしろ貨幣価値が上がる可能性もあります。
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